遮熱ガラスとは？遮熱と断熱の違いは？実は使い分け不要！ガラス屋が解説

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遮熱ガラスとは

遮熱ガラスとは、室内に入り込む日射熱（太陽熱）をカットして、夏の暑さを軽減するガラスのことです。

日射熱を反射する金属膜をコーティングした「Low-E複層ガラス」「熱線反射ガラス」「真空ガラス」、日射熱を吸収する「熱線吸収ガラス」など種類があります。

日射熱をカットして窓際の暑さを軽減

遮熱ガラスの種類によって、数値は多少異なりますが、日射熱カット率は50％以上！

一枚ガラスや普通のペアガラスの約3～5倍もの遮熱効果があります。

以下は、日射熱カット率を比較した表です。

一枚ガラス	12％
Low-E複層ガラス（遮熱タイプ）	60％
真空ガラス スペーシアクール	51％

窓から入り込む熱の割合は 家全体の約73％！

窓からこれだけの熱が出入りするので、窓の遮熱対策をしていなければ、冷房の設定温度を上げても、部屋が暑すぎて効き目がない…と感じるでしょう。

しかし、遮熱ガラスは窓から入り込む日射熱をカットしてくれるので、室温の上昇を抑えられます。

その結果、冷房が効きやすく、設定温度を急激に上げなくても室内が涼しくなります。

遮熱ガラスと断熱ガラスを使い分ける必要はない

遮熱ガラスの中でも、「Low-E複層ガラス（遮熱タイプ）」や「真空ガラス スペーシアクール」なら、遮熱効果に加えて、断熱ガラス以上の断熱効果があります。

遮熱ガラスだと日射熱をカットするので、冬の陽だまり感が得られないデメリットはありますが、冬は暖房をつけていることがほとんどです。

日射熱だけで暖を取ることは少ないので、どれだけ暖房の熱を外に逃さないようにできるか？（断熱性能が高いか？）がポイントです。

Low-E複層ガラスや真空ガラスなら遮熱と断熱を両立

Low-E複層ガラスや真空ガラス スペーシアクールは、一枚ガラスの約3～6倍の断熱効果があります。

以下は、断熱効果の指標である、熱貫流率をまとめた表です。

数値が高いほど断熱効果が低く、数値が低いほど断熱効果が高くなります。

一枚ガラス	6.0
Low-E複層ガラス（遮熱タイプ）	2.5
真空ガラス スペーシアクール	1.0

数値を見てわかる通り、断熱性能が高く、冬の窓際の寒さを防いでくれます。

もちろん、Low-E複層ガラスや真空ガラスは、遮熱効果も十分にあるので、夏は日射熱をカットして、涼しい室内を保てます。

窓の断熱性能が上がれば、冷暖房効率も上がり、節電･節約効果を期待できます。

年間で光熱費を約1万円～4万円節約した例がございます。

遮熱ガラスの種類

遮熱ガラスは、日射熱を反射するタイプ、日射熱を吸収するタイプ、さらには 断熱効果もあるタイプがございます。

ここでは、遮熱ガラスを種類ごとに、ガラスの構造や効果を詳しく解説します。

夏も冬も快適な室温を保てる「Low-E複層ガラス」

Low-E複層ガラスは、2枚のガラスの間に中空層を設け、室外側のガラスにLow-E膜（金属膜）をコーティングしたガラスです。

Low-Eは「ローイー」と読み、「低放射」という意味です。

ペアガラス（複層ガラス）の一種で、中空層とLow-E膜（特殊金属膜）が特徴的です。

中空層があるおかげで、外の寒い空気と、暖房であたたかくなった室内の空気が、窓ガラスから出入りしにくくなり、断熱性能が上がります。

Low-E膜は日射熱を反射するので、室温の上昇を防ぎ、冷房が効きやすい状態になります。

Low-E複層ガラスは、遮熱タイプ（日射遮蔽型）と断熱タイプ（日射取得型）に区別されます。

遮熱タイプ	室外側に Low-E膜 ↓ 太陽の暖かさを反射 暖房の暖かさを吸収	＜夏＞ 室外側のLow-E膜と中空層のダブルで、 日射熱を遮断するため、抜群の遮熱効果 ＜冬＞ 暖房の暖かさ(遠赤外線)を吸収･反射する 冬の断熱効果も高い
断熱タイプ	室内側に Low-E膜 ↓ 暖房の暖かさを吸収	＜夏＞ 室内側のLow-E膜だけで日射熱を遮断する 遮熱効果は ほどほど ＜冬＞ 暖房の暖かさ(遠赤外線)を吸収･反射する 冬の断熱効果が高い

断熱タイプより遮熱タイプの方が遮熱効果も断熱効果も高いので、全ての窓を遮熱タイプにした方が、遮熱も断熱にも効果があり、1年中メリットを得られます。

	断熱効果	遮熱効果
遮熱タイプ (ペアマルチレイボーグ)	熱貫流率 2.5	日射カット率 61％
断熱タイプ (ペアマルチEA)	熱貫流率 2.7	日射カット率 33％

一枚ガラスでもサッシ交換不要で断熱効果もある「真空ガラス」

真空ガラスは、2枚のガラスの間に真空層を設け、片面のガラスにLow-E膜をコーティングしたガラスのことです。

日本板硝子株式会社のスペーシアシリーズやクリアFitが、真空ガラスに該当します。

通常のペアガラスには、中空層にアルゴンガスや乾燥空気が封入されていますが、それらよりも熱を通しにくい真空層にすることで、断熱効果を高めています。

さらに、スペーシアクールにコーティングされた遮熱高断熱Low-E膜は日射熱を51％カットし、冷房効率が上がります。

その上、真空ガラスの厚みは6.2mmで、一枚ガラス用サッシに収まるので、サッシ交換は不要です。

既設の窓が一枚ガラスで、遮熱効果と断熱効果の両方を高めたい場合は、Low-E複層ガラスより、真空ガラスの方がおすすめです。

遮熱効果に特化した「熱線反射ガラス･熱線吸収ガラス」

熱線反射ガラスは、板ガラスの片面に金属膜をコーティングしたガラスです。

金属膜が日射熱を30～40％遮蔽するので、日射が室内に入りにくく、冷房が効きやすくなります。

さらに、可視光線も反射するので、マジックミラーのような見た目で、昼間の目隠し効果があります。

熱線吸収ガラスは、ガラスの原料に金属を加えて着色したガラスです。

暗色のガラスが日射を40～60％吸収するので、日射の透過率を抑え、冷房が効きやすい室内になります。

また、ガラスが着色されているので、サングラスのように太陽のまぶしさを軽減できます。

可視光線も吸収し、昼間に室内が暗いときは、外から見えにくいです。

遮熱ガラスの価格

2022年頃から続く、建築資材の価格高騰により、2024年現在も原価が変動しております。

また、出張場所や搬入場所、ガラスの種類や既存サッシの状態などにより、価格が異なります。

そのため、当店では料金一覧表をご提示しておりません。

遮熱ガラスの価格につきましては、無料お見積もりにてお確かめくださいませ。

なお、当店では、自社内施工により中間マージンをカットし、お求めやすい価格にて遮熱ガラス交換を承っております。

ぜひ相見積もりで他社様と比較してみてください。

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【比較】遮熱フィルムと遮熱ガラスどっちが良い？

窓の遮熱対策は、遮熱ガラス交換だけではありません。

既設の窓ガラスに遮熱フィルム･シートを貼る方法や、ガラス用の遮熱塗料、サンシェード、すだれなどで対策する方法も考えられます。

遮熱効果だけを重視するなら遮熱ガラスフィルムがおすすめ

マジックミラーフィルムやスモークフィルムといった遮熱ガラスフィルムは、遮熱ガラスよりも遮熱効果が高い場合があります。

※フィルム･ガラスの種類によって、効果の度合いは変動します。

遮熱ガラスフィルム	遮熱ガラス
遮蔽係数 0.26～0.41	遮蔽係数 0.27～0.56

特にマジックミラーフィルムは遮熱効果が高く、日射熱をカットできます。

ただし、マジックミラーフィルムやスモークフィルムは暗色なので、フィルムを貼ることで室内が薄暗く感じるかもしれません。

また、マジックミラーフィルムは鏡のように反射し、見た目のギラギラ感が気になる人もいるでしょう。

遮熱も断熱もできて1年中快適なのは遮熱ガラス

遮熱効果＋断熱効果も求めるなら、遮熱ガラスへの交換がおすすめです。

断熱効果もある遮熱ガラス「Low-E複層ガラス（遮熱タイプ）」や「真空ガラス スペーシアクール」の遮蔽係数は0.43～0.56程度で、スモークフィルムと同じくらいの遮熱効果です。

その上、熱貫流率は遮熱ガラスフィルムの約5倍！冬の断熱効果も期待できます。

※フィルム･ガラスの種類によって、効果の度合いは変動します。

遮熱ガラスフィルム	遮熱ガラス
熱貫流率 4.3～5.8	熱貫流率 1.0～

遮熱ガラス交換･遮熱ガラスフィルム施工どちらも承ります

「Low-E複層ガラス（遮熱タイプ）」「真空ガラス スペーシアクール」は、夏の遮熱効果に加えて、冬の断熱効果も期待でき、冷暖房費の節約にもなります。

遮熱効果だけを重視するなら「遮熱ガラスフィルム施工」もアリです。

冷房が効かない、冷暖房費が高い、と感じている方！

ぜひ、遮熱ガラスへの交換または遮熱フィルム施工をご検討ください。

遮熱以外のお悩みも、窓ガラスで解決できます。詳しくは以下の記事をご参照ください。