防犯ガラスとは？交換しても意味ない？デメリットは？防犯フィルムの方が良い？ガラス屋が解説

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防犯ガラスとは

防犯ガラスとは、防犯合わせガラスのことで、2枚のガラスの間に特殊中間膜（フィルム）が圧着されています。

PVB（ポリビニルプチラール）の特殊中間膜は、耐貫通性能･飛散防止性能が高いため、窓ガラスが割れても飛散しにくく穴が開きにくくなります。

中間膜の代わりに、ポリカーボネート板を挟み込んだ防犯合わせガラスもあります。

CPマークがあれば防犯効果は実証済

防犯効果があると みなす基準として、CPマークがあります。

CPマークが付いた防犯合わせガラスは、防犯効果があることが、実験で証明されており、安心安全です。

もうひとつ、板硝子協会が独自に定めた基準があります。

防犯ガラスフィルム施工より効果を発揮しやすい

窓ガラスの防犯対策なら、CPマーク付きの防犯フィルム施工も候補として挙げられます。

室内側から既存の窓ガラスに、防犯フィルムを貼り付けるだけで、大掛かりな施工ではありません。

防犯フィルムは、0.35mm以上の厚みがあり、耐貫通性能に優れているのに、防犯ガラスより費用を抑えられるメリットがあります。

ただし、防犯フィルムは、窓ガラスに圧着するまで1ヶ月程度かかり、施工後すぐに本来の効果を発揮できません。

防犯フィルムは水貼りをするのですが、施工液が乾燥しないと、フィルムがガラスに圧着されないのです。

また、防犯フィルムの寿命は10年程度で、防犯ガラスより短いです。

防犯フィルム施工にご興味がある方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。

網入りガラス･強化ガラス･ペアガラスは防犯効果がない

• ウチの窓は網入りガラスだから安心だと思う
• 強化ガラスって言うくらいだから、空き巣もガラス破りできないでしょ？
• ペアガラスも防犯できるから、防犯合わせガラスにする必要はないよね？

実は、これは全て間違いです！

網入りガラスも、強化ガラスも、普通のペアガラスも、防犯としては意味がありません。

何度もお伝えしますが、防犯対策をしたい場合は、防犯合わせガラスが適しています。

なお、ペアガラスやLow-E複層ガラスの片面のガラスを、防犯合わせガラスにした「防犯合わせ複層ガラス」なら、防犯効果を期待できます。

それぞれの窓ガラスの目的･効果をまとめると、以下のようになります。

• 防犯･台風対策なら→防犯合わせガラス
• 防火対策なら→網入りガラス
• 防災対策なら→強化ガラス
• 断熱対策なら→複層ペアガラス
• 防犯×断熱対策なら→防犯合わせ複層ガラス
• 遮熱対策なら→Low-E複層ペアガラス
• 防犯×遮熱対策なら→防犯合わせ複層ガラス(Low-E遮熱タイプ)

60ミルの防犯合わせガラスがおすすめ

防犯合わせガラスは、2枚のガラスの間に特殊中間膜が圧着されており、この特殊中間膜が厚いほど、防犯効果が高いです。

1. 30ミル（約0.8mm）
2. 60ミル（約1.5mm）
3. 90ミル（約2.3mm）

おすすめは、60ミルの防犯合わせガラスです。

ガラス破りにどれくらい耐えられるのか？を、30･60･90ミルで比較した画像がコチラです。

30ミルでも「官民合同会議の防犯性能の高い建物部品」としてCPマークの表示が認められておりますので、防犯効果は実証済です。

しかし、30ミルだと打ち破りには弱いので、ある程度 打ち破りにも耐えられる60ミルが安心です。

90ミルは防犯効果が高いですが、ガラス全体も厚くなるため、単板ガラスのサッシには収まらないのです。

30･60ミルなら、単板ガラス（1枚ガラス）のサッシに収まるケースが大半です。

「セキュオSP」に内蔵されたポリカーボネート板は、特殊フィルム（PVB）よりも強靭で、穴があいても非常に小さいです。

なお、穴をあけたくない場合は、耐熱強化ガラスと90ミルの特殊フィルムを組み合わせた「セキュオPY」もございます。

「セキュオPY」 は、耐熱強化ガラスを使用しているので、店舗など大開口の打ち破りはもちろん、焼き破りにも耐えられます。

防犯ガラスのメリット

防犯合わせガラスは、防犯効果以外にもメリットがあります。

飛散防止効果により台風や地震の被害を最小限にできる

防犯合わせガラスの特殊中間膜のおかげで、窓ガラスが割れても破片がほとんど飛び散りません。

通常のガラスが割れた場合	50〜60％の破片が飛び散る（空洞ができる）
防犯合わせガラスが割れた場合	約1％しか飛び散らない（貫通しづらい）

もちろん、飛来物が衝突するほどの、大型台風にも耐えられます。

耐貫通性能が高く、穴があきにくいため、万が一 ガラスが割れても 暴風や暴雨が室内に入り込む可能性は低いです。

紫外線を99%カット！肌や家具の日焼けを防げる

防犯合わせガラスに内蔵されている特殊フィルムは、紫外線を99％以上カットしてくれます。

普通の透明なガラスでは、約60％の紫外線が窓を通過して、室内に入り込みます。

紫外線を長時間 浴び続けると、シミ･シワ･たるみなど、肌の老化を促進してしまう他、目の炎症（白内障など）や皮膚がんの原因の1つとなったり、家具や畳･カーペットの色あせの原因になったり、悪影響ばかりです。

防犯合わせガラスに交換すれば、紫外線をほとんどカットしてくれるので、安心して過ごせます。

防犯合わせ複層ガラスにすれば断熱効果も期待できる

防犯合わせ複層ガラスなら、防犯効果にプラスして、断熱効果も期待できます。

複層ガラスの片面のガラスを、防犯合わせガラスにしているので、ペアガラスの断熱効果と防犯合わせガラスの防犯効果の両方を得られます。

Low-E複層ガラスタイプの防犯合わせ複層ガラスなら、普通の防犯合わせ複層ガラスよりも断熱効果が高く、遮熱効果もプラスされます。

ただし、断熱効果も重視するのであれば、外窓を防犯ガラスに交換し、断熱効果の高い内窓を取り付ける、といった方が効果的です。

防犯合わせ複層ガラスは、あくまでも防犯効果をベースとしたもので、断熱効果に特化したものではないのでご注意ください。

防犯ガラスのデメリット

防犯ガラスでも割れる可能性がある

防犯合わせガラスでも、強い衝撃を与え続ければ、割れる可能性があります。

そもそも、100％割れないガラスというのは存在しません。

そのため、窓ガラスが割れても侵入を遅らせることが、窓ガラスの防犯対策では重視されるのです。

防犯合わせガラスは、そう簡単にはガラス破りができないので、通常のガラスより侵入を遅らせることができます。

防犯ガラスは値段が高い

防犯合わせガラスは、通常の一枚ガラスより値段が高いです。

相場は、防犯合わせガラス1枚あたり3万円～5万円となります。

そこから、工賃や出張運搬諸経費などが加算されます。

防犯合わせガラスのグレードや大きさによって、価格は変動するので、まずは無料お見積もりでお確かめください。

防犯ガラス･シャッター両方導入が1番おすすめ

防犯対策と台風対策として、シャッター（雨戸）の取り付けをご検討中だという方もいらっしゃるでしょう。

では、防犯合わせガラスとシャッター、どちらが最適なのでしょうか？

結論は、防犯合わせガラスとシャッターの両方を導入するのが最善策です。

その理由は、防犯合わせガラスとシャッターが補える部分は異なり、両方を導入することで1番の安心･安全に繋がる、と考えているからです。

防犯合わせガラス	シャッター
防犯効果 ◎	防犯効果 ◯
台風対策 ◯	台風対策 ◎
約10万円～ (掃き出し窓2枚)	約15万円～ (掃き出し窓2枚)
工事の手軽さ ◯	工事の手軽さ △

ただし、防犯面だけで考えると、防犯合わせガラスの方が安全かもしれません。

長期間、自宅を空ける時はシャッターが閉まりっぱなしになりますよね？

それでは「この家に誰もいませんよ」と、泥棒に知らせしてしまっているようなもの。

防犯合わせガラスであれば、日常と変わらない情景なので、泥棒に長期間 不在だと知らせてしまうことにはならないでしょう。

一方で、台風対策を目的とするなら、シャッター（雨戸）の方が強度が向上します。

台風で1番多い被害は、軽量の飛来物によるガラス破損なので、防犯合わせガラスで十分だと考えられますが、「ガタガタ風に煽られるのが怖いから、シャッター（雨戸）にしたい」というお客様もいらっしゃいます。

価格面では、防犯合わせガラスの方が圧倒的にお得です。

シャッターの取り付けは、防犯合わせガラス交換に比べて、約2倍〜4倍の価格です。

さらに、戸建て住宅の2階の窓にシャッターの取り付け工事する場合、足場代が料金に加算されてしまい、より高額になります。

もう一度お伝えしますが、1番安全な防犯･台風対策は、防犯合わせガラス×シャッターの併用です。

しかし、どちらかでないと予算が…というお客様が大半だと思います。

ですから、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、何を優先とするかによって、防犯合わせガラスかシャッターか、ご検討くださいませ。

防犯ガラス交換は「リビングやベランダの窓」を優先！

泥棒は、こじ破り･打ち破り･焼き破りなどで窓ガラスを破り、クレセント錠を外して、窓から侵入するケースが大半です。

しかし、5分かけても窓ガラスを破れなければ、約7割の泥棒が侵入を諦めます。

防犯合わせガラスに交換すれば、叩き割ろうにも時間がかかるため、泥棒から狙われにくいのです。

泥棒の半数が「掃き出し窓はガラス破りしやすい」と認知

空き巣被疑者へのアンケート調査によると、約半数の空き巣被疑者が、「ガラス破りしやすい窓は、掃き出し窓」と回答しています。

また、戸建住宅の場合は、1階の窓から侵入されやすく、居間の掃き出し窓ガラスを破って侵入するケースが約半数を占めます。

2階･3階以上の建物の場合は、ベランダの窓から侵入するケースが半数です。

防犯ガラスは打ち破り･こじ破り･焼き破りに耐えられる

戸建住宅でもマンションでも、窓ガラスを破って侵入されるので、掃き出し窓･ベランダの窓は、防犯合わせガラスに交換すべきです。

防犯合わせガラスの特殊フィルムのおかげで、バールやドライバーが貫通しにくく、クレセント錠を外すための穴をあけることが難しくなります。

しかも、防犯合わせガラス交換後は、CPマークの防犯シール･ステッカーが貼られるため、割れにくいガラスであるか見分けられます。

賢い泥棒なら「この家の窓ガラスは破りにくいな」とわかるので、最初からターゲットにされないのです。

防犯合わせガラス交換事例･口コミ

当店で防犯合わせガラスに交換した事例の一部をご紹介します。

実際にかかる施工料金は、無料お見積もりにてご提示いたします。

お見積もり･ご相談だけでもOK！お問い合わせお待ちしております。

防犯以外のお悩みも、窓ガラスで解決できます。詳しくは以下の記事をご参照ください。